AI検索でホームページのアクセスが減る時代。SEOと集客戦略を見直す

検索結果にAIの要約が表示され、知りたかったことがその場で分かる。検索結果からホームページを開かずに、情報収集を終える人が増えています。
検索順位だけでは見えにくい変化ですが、検索からの訪問が減れば、サービスを知ってもらう機会や問い合わせにつながる入口も細くなります。AI検索が広がる今、企業はSEOと集客の流れを見直す必要があります。
私たちも、従来型のSEO記事では手応えがありませんでした
当社では、家庭菜園の情報を発信する「やさい暦(agri.sentic.co.jp)」を運営しています。
初めは、「大根の育て方」のように、調べれば分かる情報を整理した記事も公開しました。しかし、そうした記事は期待したほどアクセスにつながりませんでした。基本的な育て方は、すでに多くのサイトが紹介しており、検索結果やAIの要約でも答えが得られる内容だったからです。
そこで、自分たちが実際に野菜を育てた経験をもとに、どんな環境で、何を試し、どうなったかを書くようにしました。すると、サイトへのアクセスが大きく伸び、検索順位にも改善が見られました。私たちは、記事の切り口を変えたことが大きく効いたと感じています。
たとえば、サツマイモのつるを関西のベランダで無加温の簡易温室に入れて冬越しさせ、翌春に苗を採った記録を公開しています。地域、品種、時期、実際の管理、写真、試して分かったことまで載せた記事です。サツマイモのつるを冬越しさせた栽培記録
GA4で確認したアクセスの変化
同じGA4プロパティで、2026年7月のアクティブユーザーは191人、2026年10月7日〜11月3日の28日間では4,666人でした。サイトの記事数や機能、季節による需要なども変化しているため、単純比較や記事の書き方だけの効果とは言い切れません。それでも、実体験に基づく記事を重ねる中で、アクセスが伸びてきたことは大きな手応えです。
同じ28日間、GA4の参照元には「openai / organic」1,073人、「openai / (not set)」148人、「chatgpt.com / ai-assistant」74人も記録されていました。これはAIサービスなどを経由した訪問を示すもので、AIクローラーの巡回数そのものではありません。クローラーの巡回状況を知るには、サーバーログなど別のデータを確認する必要があります。
AIの要約で答えが完結すると、サイト訪問は起きにくくなる
検索結果にAI要約が表示されたとき、通常の検索結果へのクリックが減る傾向は調査でも報告されています。米国の検索行動を調べたPew Research Centerの調査では、AI要約が表示された検索で、通常の検索結果へのクリックは15%から8%に減っていました。対象は米国の成人による2025年3月の検索行動で、日本やすべての業界にそのまま当てはまる数字ではありません。Pew Research Centerの調査
また、Reuters Instituteが紹介したChartbeatのデータでは、複数のニュースサイトへのGoogle検索からの流入が、2025年7月から2026年7月までの1年間で40%減少したと報告されています。これはニュースメディアのデータであり、減少のすべてがAI検索によるものだと証明されたわけではありません。Reuters Instituteの報告
つまり、「AI検索があるから、どの企業サイトも同じ割合でアクセスが減る」とは言えません。一方で、検索画面だけで情報収集が完結し、サイト訪問が発生しにくくなる変化はすでに起きています。
SEOの基本を続けながら、記事の中身を変える
Googleは、AI OverviewsやAI Modeに表示されるための特別な最適化や専用マークアップは必要ないと説明しています。ページをクロールできる状態にすること、サイト内のページを適切につなぐこと、重要な情報を分かりやすく伝えることなど、SEOの基本は引き続き大切です。Google検索セントラル:AI機能とウェブサイト
その土台の上で、記事を「調べた情報のまとめ」だけにしないことが重要です。
- どんな場所や条件で試したか
- なぜその方法を選んだか
- 途中で何に困ったか
- どのような工夫をしたか
- 実際にどうなり、何が分かったか
こうした情報は、経験した人や会社だからこそ書けます。Googleも、独自の情報や分析、実体験を含む有用なコンテンツを作ることを勧めています。Google検索セントラル:有用で信頼できるコンテンツ
検索だけに頼らず、複数の入口をつくる
記事を公開したら、サイト内に置いて終わりにせず、SNSでも伝え方を変えて発信します。記事の要点を短く紹介する、写真や動画で実際の様子を伝える、作業の途中や失敗も共有する。検索とは違う接点をつくり、興味を持った人がサイトや問い合わせ先へ進めるようにします。
検索、SNS、広告、紹介など、入口ごとの役割を組み合わせ、サイト訪問から問い合わせまでの流れを整えることが大切です。
まず見直したいこと
- Search Consoleで、検索キーワードやページごとの表示回数・クリック数・クリック率を確認する
- 順位だけでなく、クリックされたか、訪問後に問い合わせにつながったかを見る
- SEOの技術的な基本を整え、サイト内の関連情報をつなぐ
- 自社の経験、事例、判断の理由が伝わる記事を増やす
- 記事をSNSなどでも届け、検索以外の接点からサイトへつなぐ
AI検索の時代に必要なのは、SEOをやめることではありません。検索エンジンに正しく伝わる土台を保ちつつ、AIの要約だけでは伝わりにくい経験や知見を発信し、複数の入口から相談につながる流れをつくることです。
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