映像・写真制作

AIで「実写風×モーショングラフィックス」のCMを作る方法|先に会社のデータを作り込み、プロンプト1つで仕上げる

実写風CMをAIで作る(前提データ・道具と順番・プロンプト)

実写風の人物と、モーショングラフィックスを重ねた17秒のCMを、AIで作りました。人物・声・BGMは生成AI、編集はAfter Effectsです。人がやったのは、チャットでの指示と確認だけです。

※架空の大学のサンプルです(人物・大学名・日付は架空、AI生成)

この記事では、このCMの作り方を、使ったツール・作る順番・プロンプトの全文まで紹介します。ただし先にお伝えしておくと、プロンプトだけを打っても、同じものはできません。いちばん大事なのは、プロンプトの前の準備です。

この記事でわかること

  • AIに動画を任せる前に、何を準備しておくと品質がそろうか
  • 使ったツールと、それぞれの役割
  • 作る順番と、Claudeに渡したプロンプトの全文
  • 自分の会社で試すときの始め方

大前提:先に「会社のデータ」を作り込む

制作を始める前に、「架空企業ワールド」というフォルダを用意しています。動画制作の練習やサンプル制作のために、実在しそうな架空の会社・団体を20社ほど設定したものです。今回の「播磨学院大学」もその1つです。

大学のフォルダには、次のような資料が入っています。

資料中身
大学概要基本情報、沿革、建学の精神、学部と定員、学費
組織と人組織図、登場人物(教職員・学生)、学生データ
教育と学生募集の流れ4学部の学び、入試の方式、募集活動の1年、オープンキャンパスの実績、KPI
キャンパス・施設施設、撮影のルール、撮影の動線
業務システムとDX今使っているシステム、困りごと
経営課題と年間計画経営課題、中期計画、年間行事
ブランドとコミュニケーション校章、スクールカラー、書体、トーン、キーメッセージ
トーン&マナーシートロゴ・色・書体・人物・図形と動き・文体・媒体別の決まり
提案ネタ帳・用語集・出典メモ次に作るものの候補、大学の用語、業界の制度や統計の出典

素材も、用途ごとに分けて置いています。

C21_播磨学院大学/
├─ 01_大学概要.md 〜 10_トーン&マナーシート.md
├─ 99_出典・調査メモ.md
└─ 素材/
   ├─ ロゴ/      校章・正式ロゴ・通称ロゴ(色違い・SVGとPNG)
   ├─ ブランド/  トーン&マナーの見本
   ├─ 画像/      人物の設定画、緑背景のカット
   ├─ 動画/      生成した人物の動画
   └─ 音声/      声、BGM

Claude Code は、このフォルダを読んだうえで動画を作ります。だから「誰に向けて、何を伝えるか」「どの色と書体を使うか」を毎回細かく説明しなくても、大学に合った内容と見た目になります。

逆に言えば、この準備がないまま同じプロンプトを打っても、色や言葉づかいがぶれたり、伝えたいことがずれたりします。AIに任せる前に、会社の情報を1つのフォルダに整理しておく。これが、品質をそろえるいちばんの近道です。

使ったツール

ツール役割
Claude Code指示を出し、全体を進める。各ツールの操作もここから
Higgsfield人物の画像と、口の合う動画
ElevenLabs声・BGM・効果音
After Effects文字・図形と合成して仕上げ(Claude Code から操作できるよう接続)

作る順番

  1. ロゴと色・書体の決まりを先に作る
  2. 声を先に作り、秒数を確定する
  3. 人物は設定画を1枚作り、それを参照して、緑の背景で寄り・ひざ上・全身のカットを作る
  4. 画像と声を渡して、口の合う動画を作る(1カット1セリフ・4秒)
  5. After Effectsで緑を抜いて、1つのタイムラインで合成する

映像より先に「音」を決めるのがポイントです。秒数が決まると、画面の切り替えや文字の出るタイミングがすべて決まります。

Claudeに渡したプロンプト(全文)

【前提】大学のフォルダの資料(概要・学生募集の流れ・課題・ブランド・色と書体の決まり)を読んでから進めてください。

大学のオープンキャンパスを告知する、人物と文字・図形を合成したCMを作ってください。

【仕様】横16:9・1920×1080・30fps・約17秒。音なしでも文字で伝わること。

【構成とセリフ】学生役の女性が1人、カメラに向かって話す。セリフの前後には0.4〜0.8秒の間を入れる。
・「ハリガクの、オーキャンは、」(顔の寄り)
・「4つの学部を、ぎゅーっと、1日で。」(ひざ上。両手を広げる→胸の前で握る→人差し指を立てる)
・(声だけ)「3月20日、21日。ランチも、無料。」(日付と特典の画面)
・「来るしか、なくない?」(顔の寄り)
・「見て、きいて、きめる。」(全身。指さし→腰に手)
・最後にロゴ、正式名称、日付、「予約はLINEで」

【デザイン】色はコーラル #FF6B57、紺 #14264B、白。図形は丸・波・切れ目のある輪。文字は太いゴシック、縦書き中心。大事な語だけ大きくし、人物にはかぶせない。

【作る順番】
0. ロゴと色・書体の決まりを先に作る
1. 声:ElevenLabsで20歳くらいの明るい女性の声を作り、全文を1回で読ませてセリフごとに切り出す。BGMは120BPMの明るいポップ
2. 人物:Higgsfieldで設定画を1枚作り、それを参照して、緑の単色背景・影なしで寄り/ひざ上/全身の画像を作る
3. 口の動き:Higgsfield(Seedance)に画像と声を渡し、1カット1セリフ・4秒で「日本語で話す」動画を作る。低解像度で確かめてから本番
4. 合成:After Effectsで緑を抜き、1つのタイムラインで組む。生成動画の声は話し直されて間がずれるので、完成の声に合わせて動画の速さを調整する

【守ること】
・関連する文字はまとめて出し、長く見せる
・人物を途中で急に拡大・移動しない(ゆっくり寄るだけ)
・背景は止めない(輪が回る、波が流れる)。点滅や素早く走る線は使わない
・場面は図形でつないで切り替える
・全身のカットは足まで入れ、頭の上に余白を残す
・音量は -14 LUFS

仕上がりを決める「決まり」

After Effectsへの指示は、見た目の説明よりも「決まり」を渡すほうが効きます。

  • 関連する文字はまとめて出し、長く見せる(読み切れない文字は伝わらない)
  • 人物を途中で急に動かさない
  • 背景は止めないが、点滅や速い線は使わない
  • 場面は図形でつないで切り替える

静止画で良く見えても、動かすと粗が出ることがあります。Claude Code にコマ単位で書き出させて、確認しながら進めます。

自分の会社で試すなら

  1. 会社の情報を1つのフォルダにまとめる(会社概要、お客さま、強み、課題、ロゴ、色、書体、言葉づかい)
  2. ロゴや写真などの素材を、用途ごとのフォルダに分けて置く
  3. 上のプロンプトの「構成とセリフ」「デザイン」を、自社の内容に書き換える
  4. 秒数・色・セリフ・人物の見た目を変えるだけでも、雰囲気は大きく変わります(17秒を30秒にするだけでも違います)

まとめ

  • プロンプトより先に、会社のデータを作り込む
  • 素材は用途ごとに整理しておく
  • 音 → 人物 → 合成の順で作る
  • 見た目より「決まり」を言葉で渡す

作り方の流れは、ショート動画でも紹介しています。- YouTube ショート:https://youtube.com/shorts/isHI0mfLCWs- Instagram:https://www.instagram.com/ai.sentic/

SENTICでは、AIを使った動画・Web制作と、業務での AI 活用の仕組みづくりをお手伝いしています。