映像・写真制作

AIでテレビCM風の動画を作る方法|Blenderで動きの下書き、SunoでオリジナルのCMソング

歌うテレビCMをAIで作る(前提データ・動きの下書き・プロンプト)

人とロボットが歌って踊る、17秒のテレビCM風の動画を作りました。CMソング、出演者とロボットの映像は生成AI、仕上げはAfter Effectsです。人がやったのは、Claudeへの指示と確認だけです。

※架空の会社のサンプルです(企業・人物・数値は架空、映像と曲はAI生成)

撮影・CG・作曲のチームを組んで作るのが当たり前だった種類の映像です。この記事では、その作り方を、使ったツール・作る順番・プロンプトの全文まで紹介します。

先にお伝えしておくと、プロンプトだけを打っても、同じものはできません。いちばん大事なのは、プロンプトの前の準備です。

この記事でわかること

  • AIに任せる前に、何を準備しておくと品質がそろうか
  • 激しいカメラワークを、Blenderの「動きの下書き」で再現する方法
  • Sunoで、社名を覚えてもらえるCMソングを作るコツ
  • 作る順番と、Claudeに渡したプロンプトの全文

大前提:先に「会社のデータ」を作り込む

制作を始める前に、「架空企業ワールド」というフォルダを用意しています。実在しそうな架空の会社・団体を20社ほど設定したもので、今回の「中村製作所」(愛知県の自動化装置メーカー)もその1つです。

資料中身
会社概要基本情報、沿革、企業理念、財務
組織と人組織図、登場人物、採用の状況
事業と業務フロー事業ごとの中身、受注から納品までの流れ、主力の商品
拠点・設備工場、デモルーム、撮影できる場所
業務システムとDX今使っているシステム、困りごと
経営課題と年間計画経営課題、中期計画、周年行事
ブランドとコミュニケーション今のロゴ、色、キーメッセージ、発信の状況
トーン&マナーシート新しいロゴ・色・書体・白いライン・人物・動きの決まり
提案ネタ帳・用語集・出典メモ次に作るものの候補、業界の用語、制度や統計の出典
C01_中村製作所/
├─ 01_会社概要.md 〜 10_トーン&マナーシート.md
├─ 99_出典・調査メモ.md
└─ 素材/
   ├─ ロゴ/   マーク・ロゴタイプ(色違い・SVGとPNG)、字ごとの線データ
   ├─ ブランド/
   └─ 画像/   出演者とロボットのキャラクターシート

Claude Code はこのフォルダを読んでから作ります。だから、歌詞に企業理念や創業55年が自然に入り、ロゴや色もぶれません。試すときは、まず自社の情報を1つのフォルダに整理してください。

使ったツール

ツール役割
Claude Code指示を出し、全体を進める。各ツールの操作もここから
SunoオリジナルのCMソング
Blender出演者の動きとカメラの「下書き」(Claude Code から操作)
Higgsfield出演者とロボットの画像・動画(Seedance)
After Effects緑を抜いて、文字・図形と合成して仕上げ(Claude Code から操作)

作る順番

  1. 会社のデータを読み、ロゴと色・書体の決まりを先に作る
  2. 出演者とロボットのキャラクターシートを作る
  3. Sunoで曲を作り、拍と歌の位置を測る(約156BPM・16.6秒)
  4. Blenderで、動きとカメラの下書きを作る
  5. Higgsfieldで、下書きと同じ構図の最初のコマを作り、Seedanceで動画にする
  6. After Effectsで緑を抜き、曲に合わせて合成する

激しいカメラワークは、Blenderの「動きの下書き」で

AIの動画は、言葉だけでは「下から見上げてジャンプし、カメラに手のひらを突き出す」のような激しい動きをなかなか作れません。そこで、先にBlenderでグレーの人形を動かし、カメラの動きも付けて書き出します。その映像を、Seedanceに「動きの見本」として渡すと、出演者が同じ動き・同じカメラワークで動いてくれます。

Blenderの作業画面。グレーの人形に骨組みを入れ、動きとカメラを付けている

人形の作りは粗くてかまいません。表情や指先の演技はAIが補ってくれます。Blenderで決めるのは、体の大きな動き・立ち位置・カメラの動き・タイミングです。Blenderは公式のコネクターで Claude Code とつなぎ、人形づくりからキーフレーム、書き出しまで指示だけで進めています。

今回は9カットのうち、動きが複雑な5カットをBlenderで下書きしました。

CMソングはSunoで。社名を連呼し、ことば遊びを入れる

テレビCMらしさを決めるのは曲です。Sunoのカスタムモードに、歌詞と曲調を渡します。

てまひま まるごと ゆとりに かえる
なかむら!
なかなか やるでしょ なかむら
なかむら なかむら なかむら なかむら
こまきで ごじゅうごねん なかむら
あしたも うごかす なかむら
(語り)な・か・む・ら。

曲調の指定(Style of Music)

quirky comedic Japanese TV commercial jingle, one solo male singer only, a charismatic middle-aged actor's voice (not a pop idol), theatrical and slightly goofy, retro Showa-era CM song, 156 BPM, major key, oompah tuba bass, brass stabs, marimba, woodblock, slide whistle accents, very short intro, ends with one brass hit, no backing vocals, no choir, no harmonies

除外(Exclude styles):group vocals, choir, harmonies, backing vocals, boy band, idol pop, autotune, ballad, slow, rap, long intro

  • 歌詞は4音ずつのリズムにそろえると、語呂がよくなります
  • 「なかなか」と「なかむら」のような、ことば遊びを1つ入れると覚えてもらえます
  • 「男性ソロ・合唱なし・アイドルポップは除外」と書かないと、グループで歌うアイドル風の曲になりがちです
  • 今回は「なかむら」の連呼の部分が機械のような声になったので、そこはロボットが歌う場面にしました

Claudeに渡したプロンプト(全文)

【前提】会社のフォルダの資料(概要・事業・課題・ブランド・ロゴと色・書体の決まり)を読んでから進めてください。

この会社の創業55周年のブランドCMを、テレビCMのような激しいカメラワークで作ってください。

【仕様】横16:9・1920×1080・24fps・曲の長さ(約17秒)。

【登場人物】
・会社の顔になる架空の出演者(40歳前後の男性。紺のスーツ、オレンジのネクタイ、メガネ)
・協働ロボットから生まれた手のひらサイズのマスコット「コボ」
どちらも先にキャラクターシート(全身・寄り・正面と横と後ろ)を作って、以後の参照にする。

【曲】Sunoで作る(歌詞と曲調は上のとおり)。

【構成】曲の拍と歌の位置を測ってから、9カットを割る。
コボがラインを走る → 正面で両手を突き出す → 下から見上げてジャンプ → 真上から円卓 → 横から走る → コボが連呼を歌う → 顔の寄りで歌う(口を合わせる)→ しゃがんで考えて指さし → 一回転して決めポーズとロゴ

【デザイン】紺のグラデーションの地+白の2色、差し色にオレンジ。白いライン(細い尾から丸い頭)を全編に通す。社名の「な・か・む・ら」を線で書くように1字ずつ大きく出す。

【作る順番】
1. 曲:Sunoで作り、拍と歌の位置を測る
2. 動きの下書き:Blenderで人形に動きとカメラを付け、カットごとに緑の背景で書き出す
3. 最初のコマ:Higgsfieldで、下書きと同じ構図・緑の背景の静止画を作る
4. 動画:Seedanceに「最初のコマ+Blenderの動画(動きの参照)+キャラクターシート」を渡す。歌うカットは曲を音声の参照にする
5. 合成:After Effectsで緑を抜き、曲に合わせて速さを調整し、文字と図形を重ねる

【守ること】
・人物の素材は回転・縮小しない(端が見える)。場面のつなぎは横に流す・寄る・白いラインで拭う
・素材に写った床の線や小物は消す
・文字はまとめて出し、長く見せる
・決めポーズは腕を下ろす前で止める
・最後に、全編をコマ単位で止めて確認する

仕上がりを決める「決まり」

合成のときは、見た目の説明よりも「決まり」を渡すほうが効きます。

  • 生成した素材は緑の背景で作り、After Effectsで抜く
  • 人物の素材を回したり縮めたりすると、素材の端が画面に出る。つなぎは横に流す・寄る・白いラインで拭う
  • 文字はまとめて出し、長く見せる
  • 決めポーズは、腕を下ろす前で止める

一瞬の粗は、再生していると気づきません。Claude Code にコマ単位で書き出させて、止めて確認してから仕上げます。

自分の会社で試すなら

  1. 会社の情報を1つのフォルダにまとめる(概要、お客さま、強み、課題、ロゴ、色、書体、言葉づかい)
  2. 歌詞の社名と、登場人物を自社のものに変える(ロボットを自社の商品やマスコットに置きかえても使えます)
  3. 動きが複雑なカットだけBlenderで下書きを作る。単純なカットは言葉と最初のコマだけで十分です

まとめ

  • プロンプトより先に、会社のデータを作り込む
  • 激しい動きとカメラは、Blenderの下書きをAIに見せる
  • CMソングは、社名の連呼と、ことば遊び
  • 合成は「決まり」を言葉で渡し、コマ単位で確認する

作り方の流れは、ショート動画でも紹介しています。- YouTube ショート:https://youtube.com/shorts/5HCUgM2MMyA- Instagram:https://www.instagram.com/ai.sentic/

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